GMARCHと四工大は併願されやすく、どこが良いのか迷う受験生も多い大学群です。
そこで本記事では、科研費をもとに理系8分野の研究力を比較し、大学ごとの本当の強みを明らかにします。
偏差値だけでは分からない特徴が見えてくるので、大学選びの参考にしてみてください。
GMARCH・四工大とは?理系の歴史・規模
GMARCH
GMARCHとは、学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の頭文字をとったの総合私立大学群の名称で、
理系学部の偏差値はおおむね55~60ほどで、難関レベル帯となっています。
明治大学

明治大学はGMARCHを代表的する名門大学で、理系規模はGMARCH最大です。
理系の歴史は、1944年に設置された東京明治工業専門学校(現在の理工学部)から始まります。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理工学部・総合数理学部 | 5,734 | 259 |
| 大学院理工学研究科・先端数理科学研究科 | 1,084 | 不明 |
| 計 | 6,818 | 259 |
青山学院大学

青山学院大学はGMARCHの中でも華やかな大学として人気です。
理系の歴史は、1944年に設置された青山学院工業専門学校(現在の理工学部)から始まります。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理工学部 | 3,029 | 156 |
| 大学院理工学研究科 | 595 | 不明 |
| 計 | 3,624 | 156 |
立教大学

立教大学はGMARCHの中でも国際派の大学として知られています。
理系の歴史は、1944年に設置された立教理科専門学校(現在の理学部)から始まります。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理学部 | 1,189 | 99 |
| 大学院理学研究科 | 169 | 不明 |
| 計 | 1,358 | 99 |
中央大学

中央大学はGMARCHの中でも実学・資格に強い大学として有名で、
理系の難関資格「技術士試験」では、全国上位の合格実績を毎年残しています。
理系の歴史は、1944年に設置された中央工業専門学校(現在の理工学部)から始まります。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理工学部 | 4,328 | 171 |
| 大学院理工学研究科 | 705 | 不明 |
| 計 | 5,033 | 171 |
法政大学

法政大学はGMARCHの中でも最多の理系学部数を持ちます。
理系の歴史は、1944年に設置された法政大学航空工業専門学校(現在の理工学部)から始まります。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理工学部・デザイン工学部・生命科学部・情報科学部 | 5,748 | 206 |
| 大学院理工学研究科・デザイン工学研究科・情報科学研究科 | 911 | 不明 |
| 計 | 6,659 | 206 |
学習院大学

学習院大学は、皇族御用達の気品ある大学として有名で、理系規模はGMARCH最小です。
理学部は、1949年の大学開設と同時に設置された、私立大学では数少ない理学部です。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理学部 | 902 | 65 |
| 大学院自然科学研究科 | 126 | 不明 |
| 計 | 1,028 | 65 |
四工大
四工大とは、芝浦工業大学・東京都市大学・東京電機大学・工学院大学の4大学からなる理工系大学群の名称で、
理系学部の偏差値はおおむね50~55ほどで、準難関レベル帯となっています。
芝浦工業大学

芝浦工業大学は四工大を代表する人気大学で、偏差値はGMARCHと比べても遜色ありません。
1927年に東京高等工商学校として創立され、土木工学科(現在の工学部土木工学課程)と建築工学科(現在の建築学部)から始まった歴史ある大学です。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 工学部・システム理工学部・建築学部・デザイン工学部 | 7,939 | 320 |
| 大学院理工学研究科 | 1,928 | 不明 |
| 計 | 9,867 | 320 |
東京都市大学

東京都市大学は優秀なエンジニアを数多く輩出してきた実力派の理工系大学です。
1929年に武蔵高等工科学校として創立され、電気工学科(現在の理工学部電気電子通信工学科)、土木工学科・建築工学科(現在の建築都市デザイン学部)から発展してきた歴史ある大学です。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 理工学部・建築都市デザイン学部・情報工学部 | 4,469 | 201 |
| 大学院総合理工学研究科 | 814 | 不明 |
| 計 | 5,283 | 201 |
東京電機大学

東京電機大学は、GMARCH・四工大の中でも理系最大規模を誇り、充実した実習設備が備えられています。
1907年創立の電機学校を起源とし、電気電子・情報通信分野を中心に発展してきた伝統ある大学です。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 工学部・理工学部・未来科学部・システムデザイン工学部・工学部(二部) | 9,347 | 349 |
| 大学院工学研究科・理工学研究科・未来科学研究科・システムデザイン工学研究科・先端科学技術研究科 | 1,211 | 不明 |
| 計 | 10,558 | 349 |
工学院大学

工学院大学は、新宿という大都市にキャンパスを構える理工系大学です。
1887年に工手学校として創立され、現在の工学部、建築学部を中心に発展してきた歴史ある大学です。
| 学部 | 学生数 | 教員数 |
| 工学部・先進工学部・建築学部・情報学部 | 6,237 | 224 |
| 大学院工学研究科 | 766 | 不明 |
| 計 | 7,003 | 224 |
科研費とは?研究力を測る有用指標
科研費(科学研究費補助金)は、研究者が提出した研究テーマを国が審査して配分する研究費のことです。
内容に価値があると判断された研究だけが選ばれるため、大学の研究力を知る指標としてよく使われます。
理系8分野別|GMARCH・四工大の科研費採択数を比較

科研費データベースをもとに、8分野ごとに研究代表者として採択された件数を集計しました。
① 数学分野
集計分野:代数学、幾何学、基礎解析学、応用数学
明治大学(19)
2位:中央大学(14)
3位:学習院大学(12)
4位:立教大学(11)
5位:青山学院大学(10)芝浦工業大学(10)東京電機大学(10)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
数学分野のトップは明治大学です。
明治大学には「理工学部数学科」や「総合数理学部」だけでなく、 数学の研究を専門に行う 先端数理科学インスティテュート という研究所もあります。 そのため、数学を学べる環境がとても充実しており、研究活動も活発です。
② 物理学分野
集計分野:数理物理、原子物理、磁性、宇宙物理実験
青山学院大学(7)学習院大学(7)中央大学(7)
4位:立教大学(6)
5位:明治大学(5)
6位:東京電機大学(2)
7位:工学院大学(0)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
物理学分野では、青山学院大学・学習院大学・中央大学の3大学が同数でトップとなりました。
青山学院大学は「磁性」の研究で多く採択されており、 学習院大学と中央大学は「数理物理」の分野で採択が多いのが特徴です。
また、立教大学は4位でしたが、6件すべてが「宇宙物理実験」での採択です。 宇宙物理実験の分野に限れば、全国的に見ても高い研究力を持っています。
③ 化学分野
集計分野:基礎物理化学、有機合成化学、無機錯体化学、高分子化学
学習院大学(12)
2位:中央大学(7)
3位:工学院大学(4)立教大学(4)
5位:芝浦工業大学(3)
6位:青山学院大学(2)
7位:明治大学(1)東京電機大学(1)
9位:東京都市大学(0)法政大学(0)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
全ての大学が専攻を持つ化学分野では、学習院大学が他大学を大きく引き離してトップでした。
小規模ですが、理学部らしく基礎化学系を中心に高い研究力を示しています。
④ 機械工学分野
集計分野:材料力学、流体工学、熱工学、機械力学
芝浦工業大学(14)東京電機大学(14)
3位:青山学院大学(12)
4位:工学院大学(9)明治大学(9)
6位:中央大学(8)
7位:東京都市大学(7)
8位:法政大学(1)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
機械工学分野では、芝浦工業大学と東京電機大学が同数でトップでした。
全国的にもTOP20に入る採択数で、工業系大学らしく機械工学の研究環境が非常に充実しています。
⑤ 電気電子工学分野
集計分野:電力工学、通信工学、電気電子材料工学、電子デバイス
芝浦工業大学(12)
2位:東京電機大学(10)法政大学(10)
4位:東京都市大学(7)
5位:工学院大学(6)
6位:青山学院大学(5)明治大学(5)
8位:中央大学(2)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
電気電子工学分野では、芝浦工業大学がトップでした。
他の四工大では、東京電機大学、東京都市大学がいずれも上位に入っており、
やはり工業系大学は電気電子工学のような純粋な工学分野に強いことが分かります。
⑥ 土木工学分野
集計分野:構造工学、地盤工学、水工学、土木計画学
中央大学(6)
2位:東京電機大学(5)
3位:芝浦工業大学(4)
4位:東京都市大学(3)法政大学(3)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
土木工学分野では、中央大学がトップでした。
採択件数そのものは全国的に見るとかなり控えめで、5大学の間で研究力に大きな差はありません。
ただ、中央大学理工学部の都市環境学科は1949年の新制大学発足時に設立された歴史ある学科で、
長く土木分野の教育と研究を続けてきた伝統があります。
⑦ 建築学分野
集計分野:建築構造、建築環境、建築計画、意匠
東京都市大学(24)
2位:明治大学(15)
3位:工学院大学(12)東京電機大学(12)
5位:芝浦工業大学(9)
6位:法政大学(5)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
建築学分野では、東京都市大学が他大学を大きく引き離してトップでした。
全国的に見てもトップクラスの採択数で、
特に「建築計画」と「建築環境」の分野で多くの科研費を獲得しています。
東京都市大学の建築学科は、1929年の大学創立以来の長い歴史をもち、 日本の建築分野の教育・研究をリードしてきた大学の一つです。
⑧ 情報科学分野
集計分野:情報学基礎論、ソフトウェア、情報ネットワーク、知能情報学
法政大学(15)
2位:工学院大学(6)芝浦工業大学(6)
4位:中央大学(5)
5位:青山学院大学(4)東京電機大学(4)明治大学(4)
8位:東京都市大学(2)
※ 該当の専攻を持つ大学のみを対象
※()内は科研費採択件数(2021〜2025年の累計)
情報科学分野では、法政大学が他大学を大きく引き離してトップでした。
情報系は専攻を設置する大学が多く、競争の激しい分野ですが、
法政大学は全国14位・私立2位というトップクラスの科研費を獲得しています。
さらに、THE世界大学ランキング2026の情報科学分野でも全国12位・私立3位という評価を受けており、
法政大学は、情報科学の教育力・研究力が非常に高い水準にあることが分かります。
まとめ
数学 :
明治大学
物理学 :
青山学院大学 学習院大学 中央大学
化学 :
学習院大学
機械工学 :
芝浦工業大学 東京電機大学
電気電子工学:
芝浦工業大学
土木工学 :
中央大学
建築学 :
東京都市大学
情報科学 :
法政大学
偏差値だけを見ると明治大学が何でも高く見えますが、研究力を見ることで大学ごとの本当の強みが見えてきます。
偏差値がこの中で最も低い東京電機大学も、機械工学をはじめ複数の分野で偏差値上位の大学を上回る結果となりました。
偏差値はあくまで“入試難易度”にすぎないため、大学選びではこうした研究力もあわせて確認することが大切です。

